Googleカレンダーが刻む時間

こんなふうに想像してみるとわかるのは、私たちは、スムーズで滞りのない一定の流れの中に存在するわけではないことだ。〈私たちが生きている時間〉は、子どもの泣く声や、誰かからの呼びかけ、自身の疲労などによって刻まれる、寸断された時間である。

一方で、締め切りによって作り出される、〈締め切りの時間〉もある。期日までに間に合わせなければならない時間。それは外から押し付けられた時間でもある。締め切りは私たちを特定の時間の流れにギュっと押し込む。〈締め切りの時間〉は、私たちの〈生きている時間〉とは異なる時間の流れであり、多かれ少なかれ無理をしなければ合わせられないような時間だ。

たとえば私たちは、Googleカレンダーを用いて打ち合わせを管理する。一定の時間になると、打ち合わせや作業が始まることが告げられる。Googleカレンダーが時間を刻んでいるのだ。Googleカレンダーのような装置は、他にもたくさんある。腕時計も、キッチンタイマーも。過去に目をやれば、鐘やチャイムなども。こうした、時間を作り出す制度・装置・行為を〈時計〉と呼ぶとすれば、締め切りとは間違いなく〈時計〉の一種である。