追い詰められた国軍の「摘発」ポーズ
中国に引き渡された佘は、シュエコッコでの特殊詐欺に関する重要な情報を中国当局に提供するだろう。ソーチットゥらの特殊詐欺への関与が明確になれば、中国はミャンマー国軍に身柄の引き渡しを求める可能性がある。
一方で国軍が抵抗勢力との戦闘においてBGFの助力を必要としているのもまた事実だ。ソーチットゥに対する国際社会の包囲網が狭まる中、国軍はその圧力をかわすためBGFが管理するKK園区やシュエコッコで「摘発」に乗り出している。
国営紙によれば、国軍は十月十九日、BGFの了承を得てKK園区を急襲し、計二千百九十八人の外国人らを見つけ、スペースXが提供する衛星インターネットサービス「スターリンク」の受信機などを押収。二十三日からKK園区内にある計六百三十五棟の建物の爆破解体に着手した(※3)。
ミンアウンフラインは十一月十五日、カイン州の州都パアンを訪れ、ミャンマー・タイ国境の詐欺拠点を「根絶する」と宣言。国軍とBGFの合同部隊はその三日後、シュエコッコの詐欺拠点を摘発し、中国人を中心に三百人以上の外国人を拘束した(※4)。それ以降も摘発を続けている。
1 “Exporting fraud: China’s acquiescence to Myanmar’s military regime fuels ‘foreigner butchering’ scam epidemic” The Global Initiative, 10 October 2025
2 “Chinese-Cambodian tycoon extradited” Bangkok Post, 13 November 2025
3 “Buildings demolished in KK Park” The Global New Light of Myanmar, 12 November 2025
4 “Scam Workers Flee as BGF Vows ‘Final War’ on Shwe Kokko Scam Hub” The Irrawaddy, 18 November 2025


