本を読むことで得られるもう一つのスキル

世の中の多くの物事と同様に、読書もまた、やればやるほど面白くなる性質を持っているようです。

猪原敬介『科学的根拠(エビデンス)が教える子どもの「すごい読書」』(日経BP)
猪原敬介『科学的根拠(エビデンス)が教える子どもの「すごい読書」』(日経BP)

レーナ・ヴィマーさんらがイギリスで行った研究(※)では、物語を多く読む大学生ほど、「創造性」が高い傾向があることが示されています。

(※)Wimmer, L., Currie, G., Friend, S., & Ferguson, H. J.(2022). Opening the closed mind? Effects of reading literary fiction on need for closure and creativity. Creativity research journal, 36, 24-41.

創造性……あまりにも抽象的な概念すぎて、まったくイメージが湧きませんね。

心理学において創造性を測定するときは、「物品の本来の用途とは別の使い方を想像してもらう」課題がよく使われます。

例えば、お題として「空き缶」が与えられたならば、回答として「楽器として使う」などが考えられます。その回答がどれくらい創造的であるかを複数の審査者が評価するわけです。いかに「これは○○のためのものだ」という固定観念を抑えて、自由な用途を見いだせるかを問うているわけです。

結果として、フィクションでもノンフィクションでも、読書をよくする大学生ほど、「創造性」が高いという結果が得られています。また、この研究も含めた複数の「創造性」を扱った研究を再分析した論文(※)でも、物語読書をよくする人ほど創造性が高い、という結果が得られています(説明文の読書は検討されていません)。

(※)Wimmer,L.,Currie,G.,Friend,S.,Wittwer,J.,&Ferguson,H.J(.2024).Cognitive effects and correlates of reading fiction: Two preregistered multilevel meta- analyses. Journal of Experimental Psychology: General, 153, 1464-1488.

ひらめきを得る少年
写真=iStock.com/RichVintage
※写真はイメージです
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