日本は「働く意思があればみんな職に就ける状態」
実際、ここ数年間の日本の完全失業率は2.5パーセント前後で推移してきました。この数字が3パーセントを切ると「完全雇用状態」、すなわち「働く意思があればみんな職に就ける状態」とされます。
もちろん、誰もが望んだ職に就けるわけではありません。求人は若年層のほうが多いので、高齢者は仕事を選びにくい立場ではあるでしょう。でも働く意思さえあれば、収入を得る道はあるのです。そう思うと、若い人の「お金の不安」はかなり和らぐのではないでしょうか。
「貯金がなくても働けば生きていける」と気楽に構えていればいいのです。
定年までがんばって働いたら、老後はのんびりと趣味や旅行を楽しみたい──そんなイメージを抱く人も多いのですが、これも固定観念にすぎません。
定年など待たずに、株式投資などで大金を稼いでさっさとリタイヤする生き方に憧れる若い人もいるようですが、たぶん、働かずに何十年も過ごすのは苦痛でしかないでしょう。
僕の大学時代の同級生を見ていると、「人間は働かずにはいられない動物なんだな」と思います。
みんな、定年退職したときはゴルフや囲碁など好きなことに没頭できるのを楽しみにしていましたが、1年ぐらい経つと、家庭裁判所の調停委員になったり、マンションの自治会で理事を務めるなど、何らかの職を得て仕事をしていました。収入の有無は別にして、働いていないと退屈で仕方がないのだと思います。
公的年金保険そのものが破綻することはない
あなたの会社にも、定年制度があるでしょう。でも、そこが仕事の終着点だと思う必要はありません。ずっと働き続ければ生活はできますし、そのほうが人生も充実するのです。
とはいえ、年を取れば体力も落ちるし、若いときと同じようには稼げないかもしれません。病気で働けなくなることもあるでしょう。
ですから、やはり年金をアテにしたくなる気持ちもわかります。その年金がどうなるかわからないから、あなたも将来のお金のことが心配になるんですよね?
しかし、よほどのことがないかぎり、公的年金保険そのものが破綻することはありません。それは、その仕組みを考えれば当然のことです。
日本の公的年金保険は、国民が支払う保険料、国庫負担、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が運用する積立金などでまかなわれています。家計になぞらえていえば、保険料は会社からもらう給料、国庫負担はパートやアルバイトなどの副業収入、積立金は資産のようなものだと思えばいいでしょう。
国庫負担は僕たちが払う税金ですから、出どころは保険料と変わりません。どちらも国民のお金です。したがって公的年金保険とは、単に国が国民から集めたお金を分配するだけのもの。国と国民が存在するかぎり、この仕組み自体が破綻することはありません。

