薬が増える悪循環

人によっては、気分が高揚し、テンションが高くなります。高揚し過ぎて、暴力的になることもあります。

しかしそれは、鳴っている警報装置のスイッチをムリヤリ止めたことになるのです。たとえば、家庭の警報装置がけたたましく鳴ったとしましょう。「うるさい!」と、スイッチを切ってしまうでしょうか。もしも火災なら、消火しませんか。

宮島賢也『自分の「うつ」を治した精神科医の方法』(河出書房新社)
宮島賢也『自分の「うつ」を治した精神科医の方法』(河出書房新社)

薬を服用してうつの症状を抑えるのは、警報装置を切っただけで、火災を見て見ぬふりをしているのと同じことなのです。薬を飲みつづけることは、警報装置をオフにしっぱなしにしているということです。症状を消すことはできますが、うつの根本原因は解決されていません。

自分を苦しめる考え方をつづけていたり、厳しい人間関係のなかに居つづけたりすると、警報装置がさらに、大きく鳴り始めます。それを薬で抑える医師は、さらに薬を増やして、警報装置である症状を消そうとします。

これでは、根本的治癒からますます遠のいていくことは明らかです。このときこそ、人間関係や考え方を見直す「チャンス」です。

抗うつ薬の服用は、その機会を逃すことになり、もったいないことなのです。

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