子育ては「苦役」じゃない

【内田】フェミニズムの影響もあるかもしれないんだけれども、育児や家事が「シャドウワーク」として苦役、不払い労働であるというふうに語られたことがよくなかったと思うんです。子育てってそういう苦しい側面ももちろんあるんだけども、そればかりではない。

子育てというのは、人を成熟に導く、大変得難い経験です。そういうことを言ったら、フェミニストから手厳しく批判されたことがありました。「子どもが産めない人間は成熟できないということなのか」と。そんなことは言ってないんですけどね。

基本的に僕の立場は変わっていません。育児ってすごく楽しい経験なんです。自己陶冶の最高の機会だと思うけれども、そのことが全然アナウンスされない。不払い労働であって苦役である。だから旦那がもっと協力すべきだとか、行政がもっと支援する形でこの「苦役」を軽減しろと。育児をそういう文脈で語るのは育てられる子どもにとっても気の毒です。