総選挙を見越して右派政党に集結する政治家

高市早苗首相が衆議院の解散を決断したと報道された。政局を仕掛けるようだが、その首相の姿勢において“経済最優先”という事実上の公約との整合性を問う声が野党から強まっている。市場では株価の上昇に弾みがついた一方、円安が加速し、長期金利も上昇した。円安の加速は物価の安定にマイナスで、金利上昇は家計や企業の負担になる。

東京市場/初の5万4000円台の日経平均株価
写真=時事通信フォト
初めて5万4000円台で取引を終えた日経平均株価を示すモニター=2026年1月14日午後、東京都中央区

一方、英国に目を転じると、最大野党の保守党から、ナイジェル・ファラージ氏が率いる右派政党である改革党に鞍替えする政治家が目立っている。1月12日には、かつて主要閣僚を歴任したナディム・ザハウィ元財務相が、保守党から改革党に移籍した。この元財務相は、かつて脱税疑惑を理由に保守党の幹事長の職を追われた人物でもある。

英国放送協会(BBC)が伝えたところよると、ザハウィ元財務相は、英国の現状が“暗く危険”(dark and dangerous)であると評したようだ。長引く経済低迷や難民問題を理由にした発言だと考えられる。その是正のためには“輝かしい革命”(glorious revolution)が必要だとして、保守党から改革党に移籍することとしたようだ。

保守党からは、他にリー・アンダーソン元党副議長やダニー・クルーガー元影の労働・年金相などの離党も相次いでいる。英政治を長年に渡りけん引してきた名門政党である保守党の支持率は低迷しており、次回の総選挙では苦戦が予想される。ゆえに、保守党から離反した政治家たちは、支持率で首位をひた走る改革党に移籍している。

物価高の原因を作ったのは誰か

確かに改革党の支持率は高いが、だからといって2029年までに予定されている総選挙で圧勝するかは定かではない。下院(庶民院)の総選挙は小選挙区制で行われるが、各選挙区独自の事情にも左右されるため、党の支持率が必ずしも候補者の当落に直結しない。それに、改革党に移籍した政治家らは、必ずしも英政治の重鎮ではない。

保守党の支持者の中には、改革党への支持に乗り換えた人も少なくないようだ。一方で、そうした支持者は、ボリス・ジョンソン元首相に代表されるような保守党の最右派を支持していた層と重なる。そうした層が、改革党を率いるファラージ氏らとともに、英国を欧州連合(EU)から離脱させる推進力になったことは、紛れもない事実である。