英国の有権者の不満の一つが、長引く経済低迷だ。景気は足踏みする一方で、物価高が止まない典型的なスタグフレーションが続いている。英国と大陸(ユーロ圏)の消費者物価の水準を比較すると、2022年頃から英国の上昇ピッチが加速している(図表1)。
英国も大陸も、コロナショックとロシア発のエネルギーショックを立て続けに受けたため、物価が急上昇した。加えて英国の場合、これにEU離脱に伴う供給ショックも生じている。輸出入の半分を占めるEUとの貿易がEU離脱とともに、関税を始めとして様々なコストが嵩むようになったのだから、それが英国のインフレを大陸に比べて押し上げるのは、至極、当然の帰結だった。
EU離脱の影響は大きい
英国は超過需要、輸入超過の国である。英国の輸入は、2025年半ばで名目GDP(国内総生産)の20%程度に過ぎず、EU離脱直前の2019年頃の25%に比べると規模が小さい(図表2)。この間、利上げによってポンド高に誘導し、輸入が有利になるように努めてきたわけだが、英国の輸入は回復するどころか低迷している。
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