2025年12月末、中国軍が台湾周辺で大規模演習を実施した。軍事ジャーナリストの宮田敦司氏は「中国の真の狙いは戦争を起こすことではなく、台湾社会に不安と混乱をもたらすことだった」という――。
今すぐ台湾有事が起きるわけではない
2025年12月29・30日、中国軍が台湾周辺で軍事演習を行った。「正義の使命2025」と名付けられたこの演習には、陸軍、海軍、空軍、さらにミサイル部隊であるロケット軍や海警局が参加。中国軍機89機、軍艦や船舶28隻が台湾周辺で探知される大規模なものだった。
中国が台湾周辺で大規模演習を行うのは今回が初めてではない。2022年以降常態化しており、直近では2025年4月にも行われている。
こうした動きがあるたび、台湾や日本のメディアは「緊張激化」といった表現で報じる。今にも“台湾有事”が起きかねない危機的状況と言わんばかりだが、実は中国の狙いはそこにない。
では、いったい何が真の目的なのか。それは「台湾の消耗」と「国内統治」だ。

