警察の船を“私用で使った”と、議会で大問題に

短い期間とはいえ、松江で最初に世話を焼いてくれた女性である。ドラマでは脚色があるものの淑子が好意を寄せていたのは事実であろう。その関係が発展しなかった理由はなんだろう。

それを考えるために、淑子の人物像に触れてみたい。淑子については、史料により長女とするものや、三女とするものなど記述に違いがある。池野の著書によれば、淑子は内妻の娘であったとあるので、そうした関係で異同が生じているのだろう。ともあれ、松江まで連れてきたのだから安定が可愛がっている我が子だったことは間違いない。この淑子は才覚もあるということで、松江婦人会の会長も務めていた。

こう書くと、父親を陰日向で支える貞淑な令嬢のイメージもあるが、そうとばかりはいえない。八雲が松江に来る前のことだが、淑子は議会で取り上げられ地元の新聞に書き立てられるトラブルも起こしている。