「指南役」にちなんで役員席はすべて南向きに
私が毎朝欠かさずにやっていることがあります。それはアプリで、今日の運勢とラッキーカラーをチェックすること。ちなみに本日のラッキーカラーはグリーン。ですからネクタイは緑です。
験担ぎはほかにもやっています。ユニ・チャームは2023年に現在のオフィスに引っ越しましたが、私を含めて幹部の机はすべて真北を背にしています。オフィスは東西南北に正対していないため、北を背にした机はフロアに対して斜めになっています。初めて来た方は違和感を覚えるかもしれませんが、あえてこのようなレイアウトにしているのは風水を参考にしているからです。
武道の世界では、指導者を「指南役」と呼びます。それは指導者が北を背にして南に向いて話すと、話をよく聞いてくれるからと言われています。
その話を聞いて、役員会議室は座席が扇のようなレイアウトとなっていますが、扇の要の位置にある私の席は南向きにしています。幹部と社員の関係も大切ですから、オフィスでは幹部の机も南向きにしました。私と専務以外は個室がなくオープンになっており、風水を活用してコミュニケーションがより進むようにしました。
このレイアウトだと私からは幹部の背中しか見えません。しかし逆に幹部のところに報告や相談に来た社員の顔がよく見える。人が集まってくる幹部と一人で仕事をする幹部のコントラストが如実にわかり、興味深いです。
占いや風水にこだわっているわけではありません。ネクタイをラッキーカラーにするなど風水を参考にして机の向きを決めるのは、あくまでも心の安寧のためです。お正月は初詣に行く人が多いと思いますが、感覚はそれと同じ。本気で神頼みするわけではなくても、参拝すればその一年はなんとなく健やかに過ごせる気がしますよね。それを日常でもやっているだけです。
おおげさにいうと「人事を尽くして天命を待つ」でしょうか。ただ、やっているのは簡単なことばかりです。たとえば会社の神棚に毎朝手を合わせて、「今日も頑張ります」とお祈りします。そうした小さな習慣で自分の運が良くなる気がするなら手軽なことです。
占いや風水を細部まで見て、縛られることもありません。たとえば毎朝アプリで見るのは全体の運勢とラッキーカラーだけで、金運や健康運まで細かく見たりはしません。占いはたいてい「いいこと」が書いてあるものですが、もし自分に都合の悪いことが書いてあれば無視して、違うアプリを開きます。占いで「今日は外に出るな」「人に会わないほうがいい」と出ても経営者は実践できないですし、そのことに気を取られるくらいならほかのアプリを見て「いい運勢」で上書きしたほうがいい。
ネクタイをラッキーカラーにするのも、毎朝、「今日はこの予定があるからネクタイの色は何が相応しいか」と考えるのが手間だからという面もあります。朝はやることがたくさんあり、忙しいため、占いで自動的に決めてしまえば、もっと大切なことに頭を使えます。
風水も柔軟に考えており、現在のオフィスは最上階で見晴らしが良く、縁起が良さそうなことも選んだ理由の一つでした。ただ、南向きに座ることができない見晴らしが悪い物件でも今の半額の家賃だったら、それらを選んでいたかもしれない。その程度のものです。
ここから先は有料会員限定です。
登録すると今すぐ全文と関連記事が読めます。
- 広告最小化で快適な閲覧
- 雑誌『プレジデント』が最新号から読み放題
- ビジネスに役立つ学びの動画が見放題
- 会員限定オンラインイベント



