――思い出に残る仕事は?

【松田】1番はエニックスとスクウェアの合併だ。特に上場会社同士の合併ということで、株主総会で承認されて、実際に合併期日を迎える最後の最後まで気が抜けなかった。CFOとしてあらゆるシナリオを想定して、リスクを見積もった。

再入社時はその後十数年も和田とタッグを組むことになるとは予想していなかった。これまで和田の社長としての判断を、CFOとして財務面から支えてきた。いま振り返れば、この会社に入るまでのキャリアは下積みのようなもの。特に和田のビジョンの描き方には影響を受けた。ただし自分が社長の立場となれば、違う判断を下したものもある。これからはどんどんチャレンジしたい。

我々には高品質なコンテンツを提供してきたDNAがある。これを守りつつ、変えるべきものを変えることで、この激変をチャンスにできると確信している。

スクウェア・エニックス・ホールディングス社長 松田洋祐
1963年、富山県生まれ。87年東京大学教育学部卒業、三井生命入社。2001年スクウェア入社、03年スクウェア・エニックス執行役員経理財務部長、04年取締役、08年スクウェア・エニックスHD取締役、13年6月より代表取締役社長。
[出身高校]富山県立高岡高校[長く在籍した部門]財務・会計
[座右の書]稲盛和夫『稲盛和夫の実学―経営と会計』[座右の銘]信用[趣味]カクテル作り
(國貞文隆=構成 門間新弥=撮影)
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