※本稿は、千葉祥子『奪われない!お金を守る7つの習慣』(きずな出版)の一部を再編集したものです。
同じ利回りでもコストで変わる手取り額
「同じ利回りなのに、お金の増え方が違うの?」
その疑問を持ったあなた、大正解です。
私たちのお金には、いろいろな形で「手数料」がかかっています。
投資するときも、手数料や信託報酬などが差し引かれます。
海外旅行に行くときに、円をドルに両替するときも、売値(Offer)と買値(Bid)の差があり、両替をした後に実際に受け取ったドルを見て「思っていたより少ない……」と感じたことはありませんか?
あなたが受け取れるお金は、こんな方程式で計算できるのです。
このように、表向きに見える利益と現実に受け取れるお金には、違いがあります。
手数料などのコストがとても大きい場合があるので、よく注意して見る必要があります。
さらに、そこに「見えないコスト」たとえば、投資を決めるまでに画面を繰り返し見ている時間、ドキドキするストレスなど、もあなたの心の状態で上乗せされます。
コストを意識し利益を出す3つのポイント
このコストを考えずに「利回り○○%も出ています」という言葉だけを聞くと、あとで残高を見て「あれ? もっと増えているはずだと思っていたのにそうでもない?」ということになりかねないのです。
「コストを気にするなんて窮屈そう」と感じるかもしれません。
私がいた外資系の世界では、コストを徹底してチェックしていました。
ある日、各自のデスクにあったゴミ箱がすべて撤去され、フロアに分別ステーションがつくられました。
ゴミ箱が減ったことで清掃の方の移動が減り、時間短縮することでコストを減らす。
この徹底したコスト意識は、衝撃的な出来事として記憶に刻まれています。
“コスト”を忘れないためのチェックポイントを3つお伝えしましょう。
① 手数料を必ずチェック:利益の中から「いくら引かれるか」
② 全体像(年間の総額)で見る:1年間の見込み利益を確認
③ 収益が出る分岐点を知る:手数料以上の成績が出てからが利益となる
高いコストには、それだけの理由があります。
そこに自分が納得できるかどうかが、大切なポイントとなります。


