警察庁によると、偽広告で投資を募ってお金をだまし取る「SNS型投資詐欺」の被害が急増している。金融犯罪対策専門家の千葉祥子さんは「お金に関する広告には細かいルールがある。それを見ることで、広告が信頼できるかどうかを見抜くことができる」という――。(第2回)

※本稿は、千葉祥子『奪われない!お金を守る7つの習慣』(きずな出版)の一部を再編集したものです。

スマートフォン上の金融詐欺警告メッセージ
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同じ利回りでもコストで変わる手取り額

「同じ利回りなのに、お金の増え方が違うの?」

その疑問を持ったあなた、大正解です。

私たちのお金には、いろいろな形で「手数料」がかかっています。

投資するときも、手数料や信託報酬などが差し引かれます。

海外旅行に行くときに、円をドルに両替するときも、売値(Offer)と買値(Bid)の差があり、両替をした後に実際に受け取ったドルを見て「思っていたより少ない……」と感じたことはありませんか?

あなたが受け取れるお金は、こんな方程式で計算できるのです。

[実際に受け取るお金=利益−見えるコスト(手数料など)]

このように、表向きに見える利益と現実に受け取れるお金には、違いがあります。

手数料などのコストがとても大きい場合があるので、よく注意して見る必要があります。

さらに、そこに「見えないコスト」たとえば、投資を決めるまでに画面を繰り返し見ている時間、ドキドキするストレスなど、もあなたの心の状態で上乗せされます。

[実際に受け取るお金=利益-(見えるコスト+見えないコスト)]
コストを削減
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コストを意識し利益を出す3つのポイント

このコストを考えずに「利回り○○%も出ています」という言葉だけを聞くと、あとで残高を見て「あれ? もっと増えているはずだと思っていたのにそうでもない?」ということになりかねないのです。

「コストを気にするなんて窮屈そう」と感じるかもしれません。

私がいた外資系の世界では、コストを徹底してチェックしていました。

ある日、各自のデスクにあったゴミ箱がすべて撤去され、フロアに分別ステーションがつくられました。

ゴミ箱が減ったことで清掃の方の移動が減り、時間短縮することでコストを減らす。

この徹底したコスト意識は、衝撃的な出来事として記憶に刻まれています。

“コスト”を忘れないためのチェックポイントを3つお伝えしましょう。

① 手数料を必ずチェック:利益の中から「いくら引かれるか」
② 全体像(年間の総額)で見る:1年間の見込み利益を確認
③ 収益が出る分岐点を知る:手数料以上の成績が出てからが利益となる

高いコストには、それだけの理由があります。

そこに自分が納得できるかどうかが、大切なポイントとなります。