「素早くキャッシュに戻す」がリーマンショック後の新常識

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リーマンショックを境に資産運用に何が起きた?

リスクを抑えながら安定的なリターンを狙うためには、複数の資産に「分散投資」するのが王道。しかし従来の分散投資が必ずしも万能ではないことも理解しておきたい。そもそも分散投資は、ある資産が値下がりしても、別の資産が値上がりすることで、資産の増減を安定化させるもの。しかしリーマンショックでは、あらゆる資産が一気に値下がりし、資産全体の“パイ”が収縮した。国際分散投資による資産運用コンサルティングを行う荒川雄一氏(IFA JAPAN)は、リーマンショックを機に運用手法の見直しを迫られたという。

「いまの市場におけるリスク回避の最大のポイントは、危険を察知したら素早くキャッシュ化することです」

同氏もリーマンショックまでは従来型の分散投資を基本としたプランを提案していたが、現在は値上がりが期待できるものに集中投資し、値下がりのサインが出たら素早くキャッシュ化する手法も取り入れているという。これからは、換金に時間がかかっても安定した資産と、価格の変化が大きくてもすぐにキャッシュ化できる資産に分散するのがポイントのようだ。「分散投資」の中身も、市場動向に合わせた変化が必要と言えるだろう。

(※図版は取材をもとに編集部作成)

(向山 勇=編集・構成)
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