【田原】中国人と日本人は発想が違うところがあるから、最初はいろいろとまどいもあったでしょう。

【TP】そうですね。中国の人は相手が誰であろうとズバズバものを聞いてくるので、最初はびっくりしちゃいました。まず「親は何をしているのか」と聞かれるし、私がいたのが瀋陽だったので、「中国と日本は昔、ここで戦争したけどどう思うか」と、歴史観について聞かれることも多かったです。

【田原】日本が満州事変を起こして満州国をつくったが、どう思うのかと問い詰められたりするのですか。

【TP】そういう感じでもないですね。瀋陽は700人くらいしか日本人がいないので、みんな興味本位で聞いてくるという印象です。

【田原】そういう質問に対して、あなたはどう答えるの?

【TP】じつは私、この前の尖閣問題が起きるまで、日中の歴史問題にまったく意識がなかったのです。だから歴史の話をされても、「お互いが仲良くして未来をつくるほうがいいのに」としか思わず、とにかく向こうをおさめるような感じで答えていましたね。

【田原】せっかく向こうが具体的に聞いてきてくれたのに、もったいないじゃない。そこで日本人的にお茶を濁すのはよくないんじゃない?

【TP】いや、私はホントに無知でしたから。無知なのにわかったふりをして嘘をいうよりいいかなと思って。