2025年11月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト3をお送りします。キャリア部門の第1位は――。
▼第1位 深い睡眠でも軽い運動でもなかった…マイクロソフト本社に勤めるエリートが実践する「休日の意外な過ごし方」
▼第2位 毎年看護師が100人辞めていく…そんな私立病院の人手不足を一発解消した応募殺到の全く新しい採用形態
▼第3位 人生後半戦は3段階に分かれる…大勢の定年後を取材してわかった「60~74歳が黄金期」といえるこれだけの理由
※本稿は、山口周・長濱ねる『未来を照らすコトバ ビジネスと人生、さらには社会を変える51のキーワード』(祥伝社)の一部を再編集したものです。
※上記は、山口氏が「図書館長」、長濱氏が「図書館司書」としてさまざまな書籍を紹介するJ-WAVEのラジオ番組「NTT Group BIBLIOTHECA 〜THE WEEKEND LIBRARY〜」から生まれた書籍です。
約8割の人が「休んでいるのに疲れている」
【山口】「働き方改革」が始まったのは2019年の4月。それ以降のことを統計で見ると、労働時間も減っているし、休暇も取りやすい環境になってきているようです。でも一般社団法人日本リカバリー協会が2024年に発表した調査によると、日本では「元気」って回答した人が18.2%、「疲れている」と回答した人が81.8%なんです。
どうですか、ねるさんは?
【長濱】疲れています――。
【山口】図書館もなかなか大変だよね(長濱氏は図書館司書として勤務している設定)。
【長濱】でも、休み明けも疲れているんです。
【山口】「疲れてない」っていうのはいつなんですか?
【長濱】あまりないのかな――。上手に休めてないんだろうな、休み方が下手なんだなと思いますね。
【山口】ちなみに僕の場合、元気か疲れているかっていうのは、まさに状況次第です。ねるさんがおっしゃる通り、「休日明けだから疲れてないのか」というと必ずしもそうじゃない。僕は365日全部休日と言えば言える人なので、休日の過ごし方も何もないんですが。
今回紹介する『世界の一流は「休日」に何をしているのか――年収が上がる週末の過ごし方』(クロスメディア・パブリッシング)の著者、越川慎司氏いわく「疲れているのは、休み方が下手」なんです。
「休日」と休息」の違い
【山口】ちょっと前のデータになりますけど、2014年の厚生労働省の調査によると、日本人の休日の過ごし方のトップ3は、男女ともに1位「何となくネットを見る」、2位は「何となくラジオやテレビを見る」、3位は「何もせずごろ寝する」でした。これはいかがなものでしょうか?
【長濱】私も以前、メルボルンに1人で旅行した時も、気づいたらホテルでお昼2時から夜の9時ぐらいまでずっとYouTubeを観ていました。日本人の休日の過ごし方に共感します。
【山口】この本に書いてあって、確かにその通りだなと思うのは、「休日と休息は違う」ということですね。「疲れ」っていろいろな種類があるわけですよね。筋肉の疲れとか精神の疲れとか、糖分がちょっと減ってエネルギーが減っている状態とか。疲れにもいろいろな側面があるわけで、「その休み方では、身体の疲れとか物理的な疲れは取れるかもしれないですけども、心の疲れは取れないですよね」ということもある。
僕、高校時代からの親友が一人いるんですけども、彼はランナーで休日に100キロとか走るんですよ。意味わからないでしょう? 平日に仕事しているんですよ。金融機関でかなりハードな仕事をやっているんですよ。だけど、「休日が待ち遠しい」「今度100キロマラソンに出るんだ」って言って目が爛々としているんです。
ですから「休みを取る」というのは、ただ単に「休息する」ことではない。人によっては「100キロ走る」ことが、リフレッシュという意味での休みになるんです。


