英単語帳の1ページ目に記された「愛の言葉」
英語のレッスンの初めの方で、ハーンがセツに書き取らせたのが、「ユオ・アーラ・デー・スエテーシタ・レトル・オメン・エン・デー・ホーラ・ワラーダ」であった。セツは、その前後の言葉には日本語の意味を添えているのに、ここだけはそのままにしている。しかし、ハーンは、紛れもなく「あなたは全世界で一番スウィートなかわいい女です」(You are the sweetest little woman in the whole world.)と言ったのである。
セツはその意味を問うた。それは、「オメン」の脇に小さく「マーン」と書き添えているので知られる。スウィートやリトルという言葉は、ハーンが愛情を籠めて女性を語る時に好んで用いたものであるから、文全体の意味合いは、セツに感じとられたものであろう。
セツの「英語覚え書帳」(抜粋②)
オメン「女一人を云フ」=woman
オエメン「何人ても女を云フ」=women
デイリ「かわいらしい」=dear
ハジバンド「亭主」=husband
ベード「ねる時に用いるもの、日本ふとん同じく」=bed
ワチ「くわい(かい)中時計」=watch
シトレンジャル「他人」=stranger
ライオン「からしし(唐獅子)」=lion
ホワタ・エズ・デー・マトリ・オエット・ユオ「どうしたんだ」=What is the matter with you?
ノオテン・エズ・デー・マトリ「なんでもありません」=Nothing is the matter.
ドー・ユー・ウエシ・トー・ウルカ「あなたはたらき度(たい)か」=Do you wish to work?
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