コメの価格が高止まりする中、安く買う方法はあるのか。流通経済研究所主席研究員の折笠俊輔さんは「購入方法や商品の選び方を工夫することで、おいしいお米を納得の価格で手に入れることができる」という――。
升に入った米
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生産者に近づけば近づくだけ安くなる

「令和のコメ騒動」の報道にもあったように、コメは生産者から集荷業者を経て、卸売業者の精米工場で精米されたのち、スーパーに並びます。

地方のコメを都会に輸送して、安定供給するためには、複数の事業者を介することは仕方ないのですが、多くの事業者がかかわる、ということはそれだけ手数料がかかっていたり、輸送距離が長くなれば運送費もかかってきます。

つまり、安くコメを買いたければ、シンプルに「輸送距離の短いコメを、生産者からダイレクトに買う」ことがベストです。特に地方にお住まいの方にとっては、近くにコメを生産している方がいらっしゃることから、この方法は特に有効だと言えるでしょう。つまり、輸送距離の短いコメは、地元のコメなのです。

ネット通販でダイレクトに購入できる

では、生産者からダイレクトに買うためには、どんな方法があるでしょうか。

一つは、農産物直売所や道の駅の地元農産物の販売コーナーでコメを買うことです。多くの農産物直売所では、1kg単位でその場で玄米を精米して販売する方式をとっていますので、精米したての地元のコメを、短い流通経路で買うことができます。

もう一つは、インターネット通販などを活用して、生産者からダイレクトにコメを買うことです。最近では、若手の生産者を中心に、自分のWEBサイトや通販サイトを通じて、直接消費者向けに精米販売を行うことも増えてきました。

生産者から直接購入することで、作った生産者も分かりますし、送料は必要ですが、余計な中間マージンをカットしてコメを買うことができます。また、ふるさと納税もねらい目です。各産地でふるさと納税の返礼品にコメがラインナップされていますので、色々と探してみると面白いと思います。

ここまで、地元のコメをダイレクトに買う、という買い方の話をしてきました。では、大都市に生活していて、地元のコメを手に入れにくい場合に、お得に買うにはどうすればよいのでしょうか。