「余裕のある資金はすべてNISAで運用する」“臆病なあなた”に薦めたい“資産形成の王道”(橘 玲/文春新書) 『新・臆病者のための株入門』より#2

インドでもアフリカでもなく…金価格が高騰し、株高も続く今、「経済学的にもっとも正しい投資先」とは?〉から続く

2014年に制度が拡充された少額投資非課税制度(NISA)。もし長期間適切な金融商品を保有し続けた場合、資産はどの程度増えるのだろうか。『新・臆病者のための株入門』(文春新書)より一部抜粋し、NISAのメリットをご紹介する。(全3回の2回目/前回を読む続きを読む

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月3万円で1億6300万円

NISAのメリットがどれほど大きいか、簡単な試算をしてみよう。

ファイナンス理論では国債は「無リスク(安全)資産」で、元本と利払いが国家によって保証されている。それに対して株式投資は元本の保証がなく、リスクが高い分だけ平均的には国債よりリターンが大きくなるはずだ。

このリスクプレミアムは5%程度とされ、長期国債の金利を2%とすれば、株式市場に長期に投資した場合の期待リターンは7%になる(合理的な投資家は、5%ほどのプレミアムがないと株式に投資せず国債を保有する)。

これを「机上の空論」と思うかもしれないが、アメリカの株式市場の代表的な指標であるS&P500(大手企業500社の時価総額を指数化したもの)の過去10年の平均リターンは年率10%を超えている。アメリカの株価はグローバル株式市場にほぼ連動するので、世界経済が今後も年率7%程度の成長を続けるという予測はさほど大胆なものではない。

20歳の若者が月額3万円を世界株式に積み立て、年平均7%で運用できたとすると、10年で元金の360万円は約520万円になる(利益は160万円、収益率44.4%)。NISAならこの全額を受け取れるが、(課税対象になる)特定口座だと譲渡益に20%(+復興特別所得税)の税金がかかり、約32万円を納めることになる。

長期投資の最大のメリットは、複利の力によって、投資期間が長くなればなるほど利益が雪だるま式に膨らんでいくことだ(アインシュタインは複利を「人類最大の発明」と呼んだとされる)。