日々流れるニュースは、現役世代の負担が増す話ばかり。世代間差別だと言いたくもなる。作家の橘玲さんは「若い人たちは希望がないように思うのも当然。しかし視点を変えると、日本社会の別の側面が見えてくる」という――。(第1回/全5回)
※本稿は、橘玲、樺山美夏『しんどい世の中でどうすれば幸せになれますか?』(文響社)の一部を再編集したものです。
「衰退途上国」と揶揄される国家
人類史上未曾有の超高齢社会となった日本は近年「衰退途上国」と揶揄されています。
政府の予算の6割は年金・健康保険などの社会保障費と、過去の借金である国債の利払いで、税収の不足を補うために30兆円ちかくも新規国債を発行しています。高齢化はさらに20年続き、現役世代の負担はますます重くなっていくでしょう。
これだけを見れば、「希望はどこにあるのか」と思うのも当然です。しかし視点を変えると、日本社会の別の側面が見えてきます。
少ししかいない若者の価値はこれから高くなる
需要と供給の法則では、たくさんあるものは価値が低く、少ししかないものは価値が高くなります。
少子高齢化とは、子どもの数が減って、高齢者ばかりが増えていくことです。日本経済は人手不足で苦しんでいますから、少ししかいない若者の価値はこれからますます高くなるでしょう。
日本ではずっと、男は会社というイエに滅私奉公し、女は専業主婦として子育てに専念するのが当然とされてきました。日本は「近代のふりをした身分制社会」で、中途退職してイエ=会社を捨てると正社員という身分は失われ、「非正規」という“下級国民”に落ちてしまうこともあります。
とはいえ、新卒でたまたま入った会社の仕事が自分にとって“適職”である可能性は、宝くじに当たるようなものでしょう。こうして、40代を過ぎると多くのサラリーマンが会社にしがみつくしかなくなり、仕事が苦役になってしまうのです。

