それはパワハラに該当するのかしないのか。社内のさまざまな人間関係の中で判断が難しいシーンは多い。企業のハラスメント対策委員会外部委員や顧問を務める宮本剛志さんは「最近、職場メールでどんな時に誰をCCに入れるのかルール化していないことでトラブルに発展するケースが増えている」という――。
※本稿は、宮本剛志『なぜパワハラは起こるのか 職場のパワハラをなくすための方法』(ぱる出版)の一部を再編集したものです。
上司でなければパワハラ加害者にはならないの?
ケース1:先輩や同僚との間でも起こりえるパワハラ
Cさん(3年目)はある業務でわからないことがあったので、その業務の担当者である先輩(ベテラン社員)のDさんに質問するが、いつも教えてもらえない。Cさんの同僚たち(年次が近い)も、Cさんとやり取りするのが面倒なので、Cさんをメールの宛先から除いてCさん以外の全員で情報共有をしていた。Cさんも知っておかなければいけない情報だったため、Cさんはいつも困っていた。
「パワハラって上司と部下で起こることですよね。だから研修は管理職にだけやっています」
そう言われることがまだまだあります。しかし、パワハラのパワー、優越的関係は上司と部下だけではありませんでしたね。つまり、ケース1では、先輩であるベテラン社員のDさんは「経験」というパワーを持っており、同僚たちは、「人数」というパワーを持っているのです。そのため、同僚同士の人間関係のトラブルもパワハラになることがあります。
必要な情報を教えない、共有しない行為はたとえパワハラにならなかったとしてもいただけない行為です。職場の雰囲気を悪化させ、行き過ぎるとCさんをメンタルヘルス不調にさせてしまう恐れがあります。この状態を放置していると安全配慮義務が疑われてしまうかもしれません。

