枠から外れた影響が長く残りやすい日本

また同報告書は、枠から外れた影響が長期的に残存してしまう実態を客観的に分析している。初職が有期雇用で、その後に転職した者の現在の雇用形態が無期雇用に変わった割合は、次のとおりである。日本59.9%、ドイツ85.3%、フランス73.8%、英国84.3%、米国77.2%、中国31.8%、スウェーデン92.2%(図表3)。

【図表3】有期雇用から転職した人の雇用形態
出典=石山恒貴『人が集まる企業は何が違うのか』(光文社新書)

欧米諸国の場合、初職が有期雇用でも、8割から9割は無期雇用に転換している。しかし日本と中国だけは無期雇用に転換した比率が低くなっている。

この点は、正社員として新卒一括採用されることが条件となる標準労働者の特徴を端的に示している。学校卒業後の最初の段階で正社員として新卒一括採用され、標準労働者という三位一体の地位規範に参入しないと、その後の参入が厳しいという現実を、このデータは示している。