影響力は大きいが責任は取らない「参謀」
戦前の陸軍大臣は陸軍全体のトップではなく、あくまで「陸軍省」を管轄する仕事で、作戦や用兵の責任者は参謀総長でした(海軍大臣に対しては、軍令部総長)。敗北し司令官が更迭されても、当の作戦を立てた参謀はそのまま居座って、次の作戦も立てる例が多かった。名義上の運用者と実権の所在とが異なる「参謀型リーダーシップ」が、無責任をはびこらせ敗戦につながったと、半藤一利氏など多くの昭和史家が指摘しました。
参謀や専門家に判断を丸投げし、「プロの助言に従っただけだ」として責任の回避を図る日本の指導者は、書類づくりを生成AIにやらせれば、ミスを指摘されても「AIが言ったんで……」で乗り切れると思う若者と変わらない。意思決定の責任を負うことを渋ってきた日本人の習い性に、いまはAIが接続されただけとも言えます。
生成AIが崩壊させる対人関係の安心感
もっとも「人間のAI依存」が加速したのには、新しい要因もあります。SNSが普及し「つながり過ぎた」社会では、対人関係で安心感を得られない人が増えました。
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