2025年8月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト3をお送りします。キャリア部門の第1位は――。
▼第1位 なぜ昭和時代の日本人はバリバリ働けたのか…仕事もプライベートも「がんばりたくない人」が増えているワケ
▼第2位 「仕事ができるかどうか」よりも重要…11年間、上場企業の受付をしていて分かった「評価が低い人」の共通点
▼第3位 「大卒」に意味がある「学歴社会」はもう終わり…東大中退のホリエモンが思う「日本で唯一行く価値のある大学」
※本稿は、堀田秀吾『燃えられない症候群』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
心に火がつかない「燃えられない症候群」
本書のタイトルは「燃えられない症候群」です。
「そんなことば、聞いたことないぞ?」と違和感を覚えた方もいるかもしれません。
それもそのはず。これは私の“造語”だからです。
とはいえ、ただのことば遊びではありません。この名前には、「どうしても伝えたかった思い」が込められているのです。
燃えられない症候群とは、
「本当は何かに夢中になりたい。自分なりに懸命に動いてもいる。それなのに、なぜか心に火がつかない」
そんな状態を指します。
よく似たことばに「燃え尽き症候群」がありますが、両者は全く違います。
燃え尽き症候群は、一度は強く燃え上がり、すべてを出し切った末に、力尽きてしまう状態。燃えられない症候群は、そもそも火をつけることに苦戦している状態です。
燃えたい気持ちはあるのに、なぜか心に火がつかない。燃え尽きたわけじゃないのに、なぜか燃えられない――そんなもどかしさを抱えているのです。
高度経済成長期はバリバリ働いていたのに…
そして、燃えられない症候群にあたる人たちは、決して1つのタイプだけではありません。
たとえば、
● 毎日努力しているのに、燃えている実感が湧かない人
● 少ない労力で結果を出すことを優先し、燃えることを遠ざけてしまった人
● 昔は何かに夢中になれたのに、今はその感覚を取り戻せずに困っている人
● リスクを避けて生きてきたため、過去に燃えた経験がない人
● コロナ禍や社会変化で、燃えるきっかけを失ってしまった人
● まわりと比べて「どうせ自分なんて」とあきらめてしまう人
● 「やらなければ」では動けるが「やりたい」が見つからない人
もちろん、燃えられないタイプはこの7つだけではありません。そして理由も人それぞれ。複数の理由が重なっている場合もあるでしょう。
第二次世界大戦の終戦以降、日本では敗戦から立ち直るために、みんながバリバリ働いていました。特に、1950年代後半から1970年代前半にかけての高度経済成長期は、日本中が「がんばって働くこと」にまっしぐらでした。
朝から晩まで働き、休日も返上して会社のために尽くす。そんな姿が当たり前のように広がっていた時代です。
ここで1つの疑問が生まれます。
なぜ、誰もがそこまでがんばることができたのでしょうか?

