人間、あとから振り返ると、ああ、あれが運命の分かれ道だったのか、と気づく瞬間がある。しかも残念ながら、その場では往々にして気づきにくい。そこに、人生の難しさの一つも、あるのだろう。

列子は、人生の岐路が持つ危うさを、こんな話で表現してみせた。