自分だけで解決できない迷いや悩みが生じたとき、お金を払ってまで話を聞いてもらい相談をしたくなるのが占い師だ。相手が話したくてたまらなくなる「聞く姿勢」について聞いた。
イラストレーション=おかやまたかとし

悩みの種の「1on1」「聞く」のは非常に難しい

昔から「課題」を解決するのが好きでした。ただ、かつての私は何事も筋道立てて、理屈的に考えるタイプ。論理だけではどうにもならず、悩みが続く時期に出会ったのが「占い」でした。正直、最初は半信半疑。でも、占いというツールを使うことで、想像が及ばなかった意外な視点や選択肢が浮かんでくることに気づいたのです。

次第に周囲のビジネスパーソンからも、仕事や人生の相談を受けるようになりました。能力の高い方は、基本的なリサーチや分析はすでに実行済みですが、それでも最後の一歩の決め手が欲しいもの。そんなときに占うと、「背中を押してもらえた」「より創造的な選択肢が見えてきた」と喜んでいただけました。

ビジネスパーソンに向いているのは、「未来のビジョンを描く」ための四柱推命や、「現在の課題をピンポイントで掘り下げる」タロットカード、そして「人生を読みとく」西洋占星術あたりでしょうか。悩みや課題に応じて複数の手法を組み合わせ、その方にベストな方法で占います。

そんな私のもとに増えてきているのが「話の聞き方」についてのアドバイス依頼です。昨今の企業では「1on1ミーティング」などの対話型ヒアリングが盛んですが、本来「聞く」行為は難しいもの。昭和の〈飲みニケーション〉は過去の遺物となりつつも、何らかの形で組織内のコミュニケーションは図らねばならぬ。しかしどう面談すればいいかわからない、と悩む方が増えています。

しかも昨今はセクハラ・パワハラなどコンプライアンスの配慮も必要です。「相手の心証を害さず、自ら心を打ち明けてもらうにはどうしたらいいか」と悩む方が増えても当然です。

その点、たしかに占いは究極の「1on1」。欧米社会では仕事やプライベートの悩みをカウンセラーに相談しますが、日本ではその役割を占い師が担うことも少なくないと考えます。

もっとも私自身、かつては会社員として複数の部下を指導する立場にありました。我ながらなかなか厳しめの上司で、ミスや納期・時間の遅れには遠慮なく雷を落としていたものです。

その後、占い師となった私は改めて「傾聴」スキルの勉強を始めたのですが、ある日「心理的安全性」についての本を読んだところ、驚いて本を落としかけました。そこには「心理的安全性を欠いた上司」の例として、まさにかつての私の姿があったからです。

若気の至り、部下に成長してもらいたい親心――。とはいえ当時の私の“聞く姿勢”では相手は心を開けない、本音を語れない、共に課題解決に向かおうとは思えなかったはずだと、今ならばわかります。そんな自戒も込めて、改めて「相談されやすい人」になるためのポイントを伝授いたします。

なぜ人は占い師に自己開示するのか

そもそもなぜ人は占い師に悩みを吐露するのでしょう。親にも友人にも同僚にも明かせない悩みを、お金を払ってまでして赤の他人に聞いてもらおうとするのはなぜか。