学歴も記録される公文書「檔案」
中国で学歴の重要性を高めている理由の1つとして、個人の公式記録ファイルである「檔案」という制度があります。
檔案には、学歴や成績だけでなく、職歴や業務評価、婚姻状況、人によっては思想傾向や犯罪記録などが一元的に記録されており、公的機関によって管理され、原則的に第三者はみることができません。檔案は、進学や留学時、特に公務員や国有企業においては、採用や異動、昇進の際の重要な参照資料として用いられます。
中国では、学歴が檔案に記録されることで、公的な評価と直結することになり、学歴を重視する傾向を制度的に裏づけているといえるのです。
学歴競争が過熱、近年は弊害も発生
近年、中国では大卒者数の急増に伴い「学歴下沈」と呼ばれる現象が問題になっています。これは、大学・大学院で高度な教育を受けたにも関わらず、専門性と直接関係のない、例えばフードデリバリーや一般事務職などの職歴に就かざるを得ない状況を意味します。
高学歴人材がホワイトカラー職の需要を上回る供給過多の状態になっており、理想的な職業に就くことが困難になるケースが増加しているのです。さらに、非正規労働者になったり、失業者になったりするケースもあるようです。
また、北京などの大都市では、就職難のために大学院進学者が急増し、学部卒業生よりも大学院修了者の方が多くなる「本研倒掛」という逆転現象も発生しています。中国の名門大学では大学院進学率がなんと70%を超えることもあり、教育の質の維持が課題になっているそうです。
こうした「学歴競争の過熱」や「高学歴者の就職難」から、大学院進学希望者は徐々に減少しているともいわれています。



