職員や学生でにぎわう就職支援センター/壁には卒業生に「自分の就職先を後輩に勧めるか」と聞いたアンケート結果が張り出されている。

「学生がひとりだけで業種や企業を考えれば、『身の程知らずの就活』になることは目に見えています。私は『受かってから選べ。どんな業種、どんな会社でも受けろ』と言っています。志望動機? ひねり出すのです」(堀口氏)

大学生の「就職人気ランキング」では商社や銀行、旅行代理店が上位を占める。だがすべての学生がそうした業種に就けるわけではない。自分に合った業種や企業は説明会や面接を重ねるなかで段々と見えてくる。100社行くのは当たり前――。そんな雰囲気がみなぎっている。

活動の拠点となるのが「就職支援センター」だ。職員だけでなく、進路の決まった学生が常駐。面接に落ちて悔しい思いをしても、センターに来れば誰かが励ましてくれる。思いを共有してくれる。

夏には2泊3日の「就職合宿クルーズ」がある。就活を控えた1~3年生と就活を終えた4年生がフェリーで北海道を目指す。逃げ場のない船旅の中で、互いの本音を語り合い、意欲を高め合う。

経済学部の油谷紗希さんは、100社以上を受け、最後にヤマト運輸の内定を勝ち取った。合宿の経験をこう話す。

「合宿では面接や自己PR、グループディスカッションを徹底的に練習しました。他大学の人は行きたい会社しか受けません。『業種を絞らずたくさん受けろ』と言われ、いろいろな企業を受けたことで、面接で物怖じしなくなったと思います」