外国人の売上構成比が最も高い店に
加えて銀座の土地柄で欠かせないのがインバウンド顧客である。銀座店は海外からの団体客も来店するなど、免税の売上が順調に伸びているという。お菓子、お酒、化粧品だけでなく、日本のフルーツなどを買う外国人も出てきていて、「オーケーの中でも海外のお客様の売上構成比が最も高い店」(オーケー広報室)になっている。
実際に店内では、20代の韓国人男性が免税の袋に大量のお菓子とチューブわさびを詰め込み、イタリア人ビジネスマンは、日本語で書かれた菓子パンのパッケージをAIカメラで英訳して商品を物色していた。
近隣のアパレル店で働く20代のアメリカ人女性は「自分で弁当を作る時間がないので、ランチ用の食品を買うためよく使い便利」とのこと。
外国人による様々な購買行動が見られ今後もインバウンド購買の多様化はチャンスが眠っていそうだ。
小売業は変化に対応できてこそ
これからは、日本の食が外食中心に世界で勝負するストロングポイントとなるのは間違いなく、オーケーの銀座店は外食以外の食に対する新たなインバウンド顧客の興味を喚起する先駆け的な店になっていく可能性も高い。
小売業は変化対応業。世の中の空気と銀座の街に対応した結果がEDLPの雄オーケーの銀座進出となったのだろう。
今回のエリアに合わせた品揃えは、本部でコントロールするチェーンオペレーションを堅持しつつも、地域ニーズに合わせた品揃えの幅を持たせる対応となっており、顧客嗜好が多様化する中、今後の小売のトレンドとなっていきそうだ。