頭痛の原因はエストロゲンの急激な低下

月経時には、女性ホルモンのバランスの変化により血管が拡張し、神経を刺激、痛みを引き起こします。

特に、エストロゲンの急激な低下による血管の収縮から血流不足が起こることで、片頭痛が誘発されやすくなります。さらに、鉄不足による貧血から脳の血管への酸素供給が低下することも、片頭痛の発症と関係しています。

また、エストロゲンは、精神を安定させ幸福感をもたらすセロトニンの分泌を促進する役割を持っています。そのため、生理前から生理中にかけてエストロゲンが減少すると、セロトニンのレベルが低下し、筋肉が緊張して頭痛を誘発します。

さらに、生理前には、プロゲステロンが低下することで、首や肩の筋肉が硬くなる傾向があります。よって、長時間同じ姿勢でいると筋肉が過剰に緊張し、これも緊張性頭痛が起こりやすくなる原因となります。

生理中、イライラや不安が募る理由

イライラや不安感といった症状を引き起こす要因の一つに、生理前後のエストロゲン、プロゲステロンの変動が挙げられます。

先ほども説明したように、エストロゲンが減少することでセロトニンが低下し、イライラや不安感が増加します。

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一般的に生理前のプロゲステロンが高い時期は、インスリン感受性が低下するため血糖値が上がりやすく高い状態にあります。一方、インスリン感受性を改善させる作用があるエストロゲンは生理前から生理中にかけて急激に低下します。すると、血糖値のコントロールが乱れやすくなり、乱高下が起き、それにより精神状態を不安定にさせてしまいます。

これらのホルモンの急激な変動が、感情や精神状態に大きな影響をもたらしているのです。

*Generalized Anxiety Disorder and Hypoglycemia Symptoms Improved with Diet Modification:Case Rep Psychiatry 2016 Jul 14; 2016.