そもそも皇族の人生は特権だらけ

だが、学習院の卒業生にとっては、悠仁さまが学習院に通われないということは残念で、秋篠宮家への強い反発を招いた。

学習院は法的に他の私学と同じだし、一般国民にとっては、学習院の都合などどうでもいいはずだが、「悠仁さまも学習院へ進むべきだ」という人が多いのは、日本人の老舗好き・世襲好きのなせる技だろうか。

この反発は、悠仁さまが東京大学志望だという憶測によって頂点に達した。「皇族特権」といわれたが、皇族の生活や人生は特権だらけだ。スポーツ観戦やテーマパークでの遊びでも、庶民と同じように列に並んだり、抽選に参加されるわけでない。お召し列車に乗ったり、パトカー先導で車で移動したりもする。

もし東京大学に悠仁さまが入られたら、受験生1人が落とされるといわれたが、3人の五輪出場枠ならともかく、東大には何千人も定員がある。

「東京大学だけは実力だけで入学選抜をしてほしい」という人もおり、卒業生としてはうれしい評価だが、すでに留学生枠もあるし(復帰前の沖縄も別枠だった)、女性優先枠もつくってはどうかという議論があるくらいだ。

筑波大学進学にもいろいろ課題が多い

私は、学業に無理なくついて行けるのであれば東大進学は別に構わないと思ったし、悠仁さまは、推薦入試の基準にだいたい合致していたのである。

象徴天皇制を揺るがすとかいう批判もあったが、英国で王族がケンブリッジ大学に入って未来の指導者層になる学生たちと学ぶことを誰も反対しないだろうし、東大進学にだけ過剰に反発する日本の状況は異常だった。

進学先として浮上した筑波大学そのものはいい大学であり、全国から集まった学生との交流も意味がある。だが、お住まいの赤坂御用地からは遠いし、茨城県警が要人警護に慣れているとは思えないが大丈夫だろうか。

筑波大学・筑波キャンパス(写真=カンリカ/CC-BY-3.0/Wikimedia Commons

また、海外の大学との交換留学制度も選択肢が狭そうだ。私は早稲田大学や慶應大学のほうが選択肢が豊富でいいと思うが、悠仁さまが将来の天皇にふさわしい留学ができるように、うまく工夫してほしい。

ところで、悠仁さまは、9月6日に18歳で成年を迎えられ、昭和天皇の時代の浩宮さま(現陛下)と同じ位置づけになられた。

陛下は当時の民法に準じて20歳で成年だったが、民法改正があったので、現在は18歳で成年となる。そこで、皇太子であるがゆえに18歳で成年された上皇陛下の先例にならい、悠仁さまの大学入学後に記者会見を含む諸行事が予定されている。