スマホをいじりながら姿勢を作ってもOK

体を整えるために、できれば和式トイレ座りを1日に1回以上行ってほしいのですが、この「助さん格さん座り」も1日に1回、できるだけ長く行ってほしいです。和式トイレ座りとセットで行うのがおすすめです。

今だったらスマホをチェックすることが多いと思いますので、この姿勢でメールやSNSをチェックするのもいいですよ。ポイントは、跪坐と同じで両足にしっかりお尻を乗せきることです。跪坐と違って足がズレていますので、下になった足に6割、ひざを浮かせたほうの足に4割ぐらいの重量配分で結構です。その状態でいつまでも居てください。

それができる時点で、自分のことは自分の中に収める実力があります。この助さん格さん座りでも、基本的には骨盤が回転して入った状態で静止してください。

和式トイレ座り、正座、跪坐、助さん格さん座り。いずれの状態でも、骨盤を起点に、猫背からシャキッとした状態にまでなっていただきました。まずは猫背になって、骨盤の回転力を知りましょう。自分の体の「変化の振り幅」をつかむためとも言えます。まずはダメな体勢になって、それから骨盤を回して背骨の押し上げを実感して、その両方を知ってほしいのです。

骨盤が使えていないから首コリがひどくなる

ではなぜ、猫背を解除して骨盤を回し入れるのか? 前方を見るためです。

骨盤を回し入れることで、正しく前を向くことができる(出所=『読むと「全自動」で健康になるすごい本』)

正座、跪坐、助さん格さん座りで、前を見るために骨盤を入れたのです。立っている状態でも同じです。今自分がどこを向いて、何を見るかで、その後の動作や結果が決まります。それを決めているのは骨盤なのです。

これを多くの人は首でやってしまっています。キョロキョロと首を使って顔を動かし、視線をコントロールしています。首だけを使うとラクなので、知らず知らずに横着が始まり、どんどん骨盤を使わなくなってしまいます。これでさらに骨盤が動かなくなり、首を置く場所もなくなり、首がおかしなこり方をします。

また、首をよく使うので首の付け根がかたいほうが都合がよくなり、肩こりの原因にもなります。すべては骨盤から始まります。視線のコントロール、視線の向き、何を見るのか、どこを見るのか……、すべて骨盤が起点です。首でコントロールするのではありません。

和式トイレ座りで顔を動かすのではないと言いましたが、首を動かして顔の向きを変えることに慣れると「見たつもり」で終わります。また、「人をあごで使う」という日本語があるように、首だけを使う動作はいかにも誠意のない軽い動作になります。そういった所作は、信頼される人、安心感のある人が持つ印象からはほど遠いものです。首を使わずに骨盤から、前を見にいってください。