日々の何気ないやりとりが長期的な信頼関係構築の礎に

そして、契約更新の時期が来たときには、このようなやりとりになります。

○「山田様、いつもお世話になっております。この1年間、さまざまな形で情報交換をさせていただき、大変勉強になりました。さて、契約更新の時期となりましたが、今後のサービス向上のためにも、ぜひご意見をお聞かせいただけませんでしょうか?」

こちらとしても自然な気持ちの流れで更新の話をすることができるのです。

この方法には、心理学的な裏付けもあります。「単純接触効果」という現象で、繰り返し接触することで相手への好感度や信頼度が高まるというものです。また、「返報性(互恵性)の法則」により、価値ある情報を提供し続けることで、相手も何かを返したいと思うようになります。

説明上手な人は、こうした心理学的効果を理解あるいは実感した上で、計画的に関係構築を行っています。日々の何気ないやりとりが、実は長期的な信頼関係構築の礎になることがよくわかっているからです。

定期的にやりとりをしていると、相手の状況に変化が起きていることを知ることができます。変化は新しいニーズが生まれるきっかけでもあります。そこに立ち会うこと自体が良い関係を作るきっかけにもなっているのです。

説明上手な人は、継続的に用事を作ってやりとりし、相手との信頼関係を築いている

相手の意見を聞こうとしない姿勢はただのマイナス

上手に説明できる人は完成度を高めようとする、
できない人はミスを防ごうとする。

一通り説明した後、相手から否定的なことを言われたり、批判されたりするのではないかと、怖くなることはありますか?

特に、失敗したと思われたくないといった完璧主義な人や自分に自信がない人は、そのような否定的なフィードバックを恐れているように思います。

また、説明する前に、しっかりと考えて準備して臨んでいるだけに、厳しいことを言われると「自分を認めてもらえなかった」と感じる人もいるかもしれません。中には、他者の意見を受け入れることへの抵抗感を持っている人もいます。

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ここで、一例をあげましょう。

チームミーティングで、社内のある問題の解決策について話し合っているとします。

「これが唯一の解決策です。これ以上の議論は不要だと思います。」

これは自分の考えに自信がある、しかし説明下手な人の例です。

相手から何か言われることをミスや失敗だと考えて、「これ以上の議論は不要」と説明を終わらせようとしています。

当人としては、十分考え尽くした思いでいっぱいなのでしょう。

しかし、相手の意見を聞こうとしない姿勢によって、結果的に聞き手が心を閉ざしてしまい、話の通じ方にも関係性にもマイナスにつながります。