「会話が理解できない人」になる危険性

川に上流と下流があるように、言葉も上流と下流があります。上流は一つの川だったのに、下流になっていくにつれて分化してたくさんの川になっていくということはよくあることです。

今我々が使っている言葉は「下流」であり、これらを理解するためには「上流」である古文を勉強をしておいた方が、現代語を理解しやすくなるというわけですね。

西岡壱誠『読んだら勉強したくなる東大生の学び方』(笠間書院)

ちなみに、「まし」をはじめとする反実仮想の表現は、英語でも存在します。英語では「if」を使って表現する仮定法がこれに該当し、仮定法が理解できない人の多くは古文の勉強をサボっているのです。

古文の勉強が、現代の日本語、そして外国語を学ぶ時にも密接に関わってくるわけですね。

いかがでしょうか? 古文の勉強を頑張ることは、「日本語をより深く理解するため」に必要です。逆に、古文の勉強をやっておかないと、日常会話のレベルで、認識の齟齬が発生してしまうかもしれません。

相手の説明や冗談が理解できず、「理解力のない人」「空気が読めない人」だと思われてしまうかもしれないのです。古文の勉強は、大人になってからのコミュニケーション能力に密接に関わっているというわけですね。

古文だけでなく、全ての科目に、その科目の勉強をして、それができるようになることで、広がる世界があり、さまざまな意義が存在します。「学歴のため」と言わず、ぜひ、勉強の深い意義を伝えられる親御さんになっていただければと思います。

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