必死に言い訳するが、改善策は素直に受け入れる

奇跡的に誰かが相手をしてくれたとしても、本当にその相手が信用に足る情報ソースなのかも分からない。至るところでこのようなレベルで社会が運営されているため、自らのコントロール下にない事象について事実確認を突き詰めていくことが困難である。そして、合理的に推定したとしても、その推定した事実を否定する材料はいくらでもあげることができるのである。

そのような社会では、とりあえず自分から攻撃を逸らすことが有効で、逸らした先の事実を詰めていっても出口は見えない。だからこそ、この責任転嫁という方法はこの国で非常に有効であり、基本的な言い訳のパターンとして、どんなレベルの人間でも頻繁かつ簡単に使用できるメソッドになっている。

さて、相手に責任の存在を認めさせた後には、あなたも建設的な議論に戻ってきてもよいだろう。もし相手が部下であれば、どのようにすればトラブルを防げたか自分で考えさせたり、あなたからそれを教えたりする通常のコミュニケーションモードに戻ればよい。

これだけ必死で言い訳をするインド民であるが、仕事という面においては、実は上司のフィードバックを求めている。インド民の古典的なリーダーシップスタイルが、日本でいえばパワハラ的な主人が奴隷を使うようなやりかた(できなければ叱り、不要になれば切る)であるのに対して、あなたの建設的なフィードバックや改善の提案はこの社会では珍しい行為なので、快く受け入れてくれる場合が多い。

筆者撮影
毎晩ガンジス川で行われる祈りの儀式
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