相手は「軽く扱われている」と感じてしまう
なぜなら、あなたが心の中でどんな気持ちを持っていたとしても、相手がまず受け取るのは言葉そのものであるため、その印象が、「どうでも良いと思われている」とか、「軽く扱われている」と感じさせてしまうこともあるからです。
相手にとっては、誰かに相談したいと思うほど真剣に悩んでいるのです。それを「軽く扱われた」と感じては、良い気はしないですよね。これでは、相手は「あなたにはわからない」となるのが当然の反応かもしれません。
以前いた職場で、中途入社してきた方に、パソコン作業を教えたことがありました。一通り説明が終わり、1人でやってみるという段階になりました。
しばらくすると「すみません、ちょっとわからないのですが」と聞かれたので、サポートに入ることにしました。見ると、シンプルな作業の部分だったため、私はふと「ここ? これは簡単なんだけどな」とつぶやいたところ、「簡単なことを聞いてすみません。自分は慣れていないので」とかなりムッとさせてしまいました。
私としては、「難しくないから、すぐに覚えられるよ。大丈夫だよ」といったイメージで伝えたかったのですが、私の言い方から相手が受け取ったのは「こんな簡単なこともできないの?」という責める文句としての印象だったようです。
相手の価値観や気持ちを「判断」してはいけない
そもそも「大したこと」であるかどうかを決めるのは、こちらではなく相手です。相手が真剣に相談してきた時点で、すでに相手にとってはかなり「大したこと」なのです。仮にこちらにとっては「大したことじゃない」と思うようなことであってもです。
人と向き合う時は、相手の価値観や感性、気持ちや感情などを、“判断”するのではなく“尊重”するという意識を持つようにしましょう。それがあれば、不用意な一言が出ることはそもそもなくなっていくはずです。
とはいえ、こちらも人間ですから、気をつけていても、ふと漏れてしまう言葉は誰にだってあることでしょう。もし、ふと口にした言葉が相手の表情を曇らせてしまったと感じたら、一度きっちりとその言葉を回収して、違う言い方に変えましょう。