田中角栄の「鶴の一声」で政界入り

高校の時も大学の時も政治家になろうとは思いませんでした。大学卒業後は三井銀行(現在の三井住友銀行)に就職したんです。私が銀行に入って3年目の時に、父親が病気で亡なくなりました。父親はその時73歳で、自民党所属の参議院議員でした。

当時私は24歳でした。参議院議員は30歳にならないと立候補できないので、跡継ぎにはなれません。これは、「政治家になってはいけない」という神様のお告げだと思いました。

その時、父親の葬儀委員長を元総理大臣の田中角栄さんがやってくれたんです。お礼を言いに行ったら、「君、銀行を辞やめて政治家になりなさい」と言われました。

第64代内閣総理大臣 田中角榮(画像=内閣官房内閣広報室/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

「いや私は24歳なので、父親の跡継ぎにはなれません」そう答えました。

「何を言うんだ、君は衆議院に立候補するんだ!」それから5年後に、衆議院議員になりました。

なぜ「非戦」の日本が自衛隊をもつのか

「憲法改正」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

憲法9条に書かれていることは、「日本は軍隊をもたない」ということです。日本は世界の人を信頼して平和に生きていく、それが日本の生き方です、と書いてあるのが憲法です。

でも、日本が他国を侵略することはないけれども、どこかの国が日本を侵略した時に、それを追い払う能力だけはもっておく必要があるのではないか、追い払う能力をもっていることが相手にわかったら、攻せめてこないのではないかということで、現実には自衛隊をもっています。

だから、他国の侵略を排除するために戦力をもちます、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊をもっていますよ、その行動は国際的なルールに従います、と憲法にきちんと書かないといけません。だから、私は憲法改正が必要だと思っています。

しかし、「憲法9条を守りましょう」と言ったほうが国民の受けがよくて、「憲法を改正しましょう」と言うと、国民はあまり喜ばないわけです。でもきちんと話をして、理解を得なければいけないと思っています。