第102代内閣総理大臣となった石破茂氏はどんな人なのか。小・中・高校生向け教室「happier kids program」を主宰する長谷部京子さんは2018年、教室に通う子どもたちと石破氏をインタビューした。その内容をまとめた『僕たちはまだ、総理大臣のことを何も知らない。』(Gakken)より、一部を紹介する――。
第102代内閣総理大臣 石破茂
第102代内閣総理大臣 石破茂(画像=内閣広報室/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

まわりの人が頭を下げる不思議な仕事

私は幼稚園、小学校、中学校と鳥取県で育ちました。自分の父親が鳥取県知事であるという、非常に特異な環境で育ったので、そのプレッシャーは大きかったです。間取りでいうと20LDKみたいな、どでかい知事公邸に住んでしました。庭には川が流れ、山があり、テニスコートもゴルフの練習場もある、そういうところでしたね。

子どものころ、学校でお父さんについての作文を書けと言われると、何をやっているかわからないので、すごく困りました。農家でもないし、商店でもないし、会社員でもない。ほとんど家にいることもありません。

子どもには、知事がどんなことをしているのか、よくわかりませんでした。「なんだか知らないけど、まわりの人がみんな頭を下げる不思議な仕事だ」と思っていました。

「知事の子どもだから、勉強ができて当然」

私の通った学校は、鳥取大学附属小学校・附属中学校という、比較的勉強ができる子どもたちが集まる学校だったんです。私は知事の子どもですから、勉強ができなくてはいけないと思っていました。母親が非常に教育熱心な人で、すごくプレッシャーがありました。

小学校5、6年生の時は、毎月、国語、算数、理科、社会のテストがありました。1クラス36人全員、1番は誰、2番は誰と、成績が発表されるんです。これが重圧でしたね。常に1番でいられるはずもなく、4番や5番に落ちると母親からひどく叱られました。