日本人も赤肉や加工肉の食べ過ぎに注意

内藤裕二『健康の土台をつくる 腸内細菌の科学』(日経BP)

胆汁酸は、グリシンやタウリンが結びついた「抱合型」の形で肝臓から分泌され、小腸で腸内細菌によって結合が解かれた「遊離型」となって初めて脂肪を吸収できるように包み込むことができます。タウリン抱合型胆汁酸は動物性高脂肪・高たんぱく食により分泌が増加するとされるため、レッドミートや加工肉の摂取が腸管内のタウリンを増やし、結果的に硫化水素が増加するとされています。

高濃度の硫化水素はDNA障害性もあるため発がん物質とされ、便あるいは腸管の硫化水素濃度を測定することが大腸がん発見のマーカーになると注目されています。

日本人の場合、欧米ほどレッドミートや加工肉の摂取量が多くないこともあり、それらの摂取量がそこまで大腸がんの発症に関係するかどうかの明確なデータがありませんが、国立がん研究センターによる、日本人を対象とした調査解析では、赤肉や加工肉は「女性でリスクを上げる可能性あり」にとどめています。だからといって安心して食べすぎるのはよくないでしょう。

出所=『腸内細菌の科学

ほかには、食事では食物繊維とカルシウム、魚由来の不飽和脂肪酸が「大腸がん発症のリスクを下げる可能性あり」とされています。また、大腸がんリスクをほぼ確実に下げるとされるのが「運動」です。

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