これは残酷な話なんですけど…

「これは残酷な話なんですけど、その女の子(Aさん)を借りた部屋に呼ぶ前に、ノコギリとかを買ってました。最初から殺るつもりで……」

そう語る白石が選択したのは、失神させた被害者の手足を、事前に用意した結束バンドで縛り、ロフトに縄をかけて絞まるように輪を作り、その中に被害者の首を入れる方法。

一連の話を聞いて、初めての殺人について「どんな気持ちだった?」と尋ねた私に、彼は答えている。

「正直、運動をしていないのに、ものすごくドキドキしました……」

つまり、極度の興奮を覚えていたのだ。

Aさんの殺害以降、レイプ願望が芽生えたという白石は、口封じのために殺害した男性Cさんを除き、自殺願望のある女性を次々と騙してアパートに誘い入れた。そのうえで、〈女性がカネづるになりそうにない、本気で自殺する気がないと判断したら、いきなり首を絞めて失神させ性交。その後、首を吊って殺し、カネを奪う。証拠隠滅のため死体を徹底的に損壊、遺棄〉(検察側冒頭陳述より)という手口で、犯行を重ねていったのである。

突如打ち切られた面会

なかには性的衝動が抑えられず、殺害後に被害者への“屍姦”を行ったケースまであったことが、裁判では明らかにされている。

私と白石との面会は、開始から2カ月と7日、11回目を終えたところで、唐突に彼から打ち切られた。尋ねる手段がないため、正確な理由を知る術はないが、事前に断りを入れたうえで、面会の結果を週刊誌で連載しており、記事が掲載された雑誌を拘置所へ送っていた。その内容について、なにかが彼の逆鱗に触れたのではないかと思っている。

後に開かれた裁判によって、白石が私に語っていたことは“事実”であったことが裏付けられたが、裁判の傍聴時に見た彼の姿は、拘置所での面会とは異なり、自身の生を放棄したかのような投げやりな態度が目立った。地裁での死刑判決後、弁護団による控訴を取り下げた彼の死刑は、21年1月に確定した。

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