きのこ類が苦手な人は魚をたくさん食べよう

2.制御免疫を増やすビタミンDを摂る

制御性T細胞をつくる際にはビタミンDが使われます。そのため制御性T細胞を増やすにはビタミンDを摂ることも大切です。また、ビタミンDには炎症性サイトカインを抑えて、「攻撃やめ!」のサインを増やすはたらきもあります。

ビタミンDは一般的に免疫力を高める栄養素として有名で、マクロファージなどの攻撃免疫を元気にするはたらきもあるのですが、それはあくまで全体的に免疫バランスを整えてくれるということで、攻撃免疫を優位にするわけではありません。

ビタミンDが含まれる代表的な食材といえば、きのこ。きのこ類には酪酸菌のエサとなるβ-グルカンも豊富ですから、制御免疫を育てるのに最強の食材とも言えます。ほかにビタミンDが豊富な食材としては、以下などがあります。

【ビタミンDが豊富な食材】
サケ、サンマ、ブリ、マアジ、マイワシ、あん肝、シラス干し、卵

摂るべき食材ばかり多くて困る、という方は陽の光に当たるといいでしょう。ビタミンDは日光に当たることでも増えると言われています。紫外線対策をしながらも、ある程度は日光に当たりましょう。夏は5~10分程度、冬は30~40分程度の日光浴がおすすめです。夏の日差しは強烈で皮膚へのダメージも大きいため10~14時の時間帯は避けてください。

脳に効くDHA食品は制御免疫にも効果的

日光を浴びるとビタミンDが増えるのは食材も同じで、たとえばしいたけでも、生よりは干ししいたけのほうが含有量は多くなります。ですから、天日干しした食材のほうが効率よく摂取できると言えるでしょう。

なお、ビタミンDは脂溶性で、水溶性ビタミンと違って余った分を尿などとともに排泄できないため、サプリメントなどで摂る際は用量を守るなど摂りすぎにも注意が必要です。

3.制御免疫の手伝いをするDHA、EPAを摂る
飯沼一茂『倍速老化』(サンマーク出版)

脳を活性化することで有名なDHA、血栓予防効果で有名なEPAですが、じつはこれらは制御免疫の仕事の手伝いもしています。たとえば傷ついた細胞を取り除くべく、攻撃免疫が破壊していたとしましょう。このときには炎症性サイトカインが出ています。破壊が終わると制御免疫が「攻撃やめ」の合図を出すわけですが、このときDHAとEPAも、その手伝いをしているのです。

DHAとEPAは「抗炎症性脂質メディエーター」という物質をつくり出し、この物質には一度起こった攻撃反応にブレーキをかけて正常な状態に戻す作用があります。こうして過剰な攻撃が起こらないよう抑えているわけです。

それだけでなくDHAとEPAは、じつは細胞を修復させるときの材料集めもしてくれているのです。本当に頼もしい存在ですね。DHAとEPAは、マグロ、サンマ、サバ、イワシなどの青魚に豊富に含まれているので、ぜひ積極的に摂るようにしましょう。

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