「体罰」は前頭前野を萎縮させる
心理的虐待とは話が変わってしまうが、厳格な体罰もまた、脳を変形させてしまう。感情や思考、犯罪抑制力にかかわる前頭前野を萎縮させてしまうのだ。
「前頭前野は気分や感情、行動のコントロールにかかわる脳部位です。ここが萎縮すると、衝動性が高く、キレやすくなってしまうことや、喜びや達成感を味わう機能が低下するせいで、アルコールや薬物に依存しやすくなってしまうこともあります。
体罰は子どもに望ましい影響は一切なく、むしろ望ましくない影響が多くあります。科学的な根拠を踏まえて、体罰は子どもの心と脳の発達に良くないことであると認識することが大事です」
しつけのつもりの体罰が、将来の依存症に繫がってしまう危険性を持つことだということは、もっと広く知られるべきだろう。