不祥事で地位を追われた「世襲政治家」たち
実際、「世襲」の廉で、その地位を追われた議員の子どもは目立つ。
昨年6月、岸田文雄首相の長男・翔太郎氏が内閣総理大臣秘書官を辞任したのは、一昨年の末に首相公邸で行った「忘年会」の写真が『週刊文春』で報じられたからであり、岸田首相は、記者団に対して「公邸の公的なスペースにおける昨年の行動が、公的立場にある政務秘書官として不適切。けじめをつけるため交代させることといたしました」と述べていた。
また、前回の総選挙(2021年)では、女性問題で自由民主党を追われた中川俊直氏(広島4区)が落選している。その父・秀直氏は、内閣官房長官や自民党幹事長を歴任した大物であり、祖父・俊思氏もまた8期にわたって衆議院議員を務めている。「世襲」議員への批判の常套句である「地盤(後援会)・看板(知名度)・カバン(資金力)」の3つを取り揃えながらも、当選を果たせなかったのである。
国内外で波紋を呼んだ「セクシー」発言
なるほど、日本経済新聞が調べたように、「世襲候補は当選率が高い」とはいえ、必ず当選するわけではないし、麻生太郎氏の「未曾有(みぞうゆう)」「踏襲(ふしゅう)」「頻繁(はんざつ)」といった漢字の読み間違えが、「政治的な信頼感が失墜するきっかけになった」との意見があり、「世襲」ゆえの弊害だとする見方があった。
進次郎氏もまた例外ではない。
あの「進次郎構文」にとどまらず、環境大臣時代の2019年、国連気候行動サミットで「気候変動問題に取り組むことはきっとセクシーでしょう」と英語で述べて波紋を呼んだり、その2年後には、政府の2030年度の音質効果ガス排出の削減目標を46%(2013年度比)と掲げた点について、TBS系の「NEWS23」のインタビューで「おぼろげながら浮かんできた」と述べたりした姿勢を、主にネット上で、もてあそばれてきた。
すべてが「世襲」のせいではないとはいえ、「おバカなボンボン」とみなされるや否や徹底して叩かれる、そんな傾向があるのではないか。
なのになぜ、進次郎氏への支持が集まるのか。