心身の健康管理は誰もやってくれない

また自身だけでなく、自分の周囲も、健康に気づかう人で固めるように、環境を整えることを勧める。勤めている会社が、運動や、多岐にわたる心身の健康――安全、身体の健康、幸福、充実感など――を推進していないなら要注意だ。

社員の心身の健康に配慮しない企業は、競合他社よりも業績が低いのだ。とは言っても、自分の会社が社員の心身の健康をサポートしていると答えたアメリカの労働者は、全体の半分に満たない。そして、3人に1人が、仕事で慢性的なストレスを感じていると答えている。

また、雇用主が社員の健康的なライフスタイルの確立と維持を支援していると答えたのは、わずか41パーセントだった。心身の健康管理は、誰かがやってくれるものではなく、明らかに、私たち一人ひとりにかかっていると思ったほうがいい。

私が企業の幹部にコーチングをするときは、これに関して厳しく言っている。その人が1週間を捧げている組織が、心身の健康を推進していないなら、社員の心身の健康を重要事項にする社内イニシアティブを自分で旗揚げするか、そうでなければ、転職先を探し始めるようアドバイスしている。

もちろん、ハイパフォーマーたちと仕事をし、自分もハイパフォーマーになりたいなら、という前提での助言である。

これから12カ月で自分を人生最高の健康状態にする

私のセミナーでは、これから12カ月で自分を人生最高の健康状態にする、というチャレンジを受講者に課している。こういうことに本気で取り組んだことのない人の多さには驚く。以下、挑戦したい人のためのコツをいくつか紹介する。

● 健康の最適化のためにやるべきとわかっていることから始める

運動をもっとするべき、植物性食品をもっと食べるべき、睡眠をもっととるべきなど、目標はもう決まっている。そして、自分の胸に訊けば、具体的にどうすればいいかもわかっているだろう。コミットできるか、習慣化できるかだけの問題なのだ。

● 自分の身体に関する、わかる限りの計測値や数値を知っておく

かかりつけ医に行って、総合的な健康診断を受けよう。今後12カ月のあいだに、人生最高の健康状態になりたいと伝え、あなたの健康状態を評価するのに妥当な検査項目をすべて盛り込んでもらおう。BMI値や、コレステロール値、中性脂肪値、さまざまな検査によるリスク要因などがわかる。

スタンダードな健康診断ではなく、その医療機関が提供する最も総合的な検査を希望しよう。今年の大きな買い物を選ぶなら、ぜひ自分の健康にしよう。いつもの健康診断ではやってもらえない血液検査や、胸部X線検査、予防接種の見直し、がん検診、脳の画像診断などもやっているところを探そう。

写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです
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プロのアスリートを診ている人を見つけたい。スポーツ医は、まったく異なる角度から健康の最適化にアプローチする。