筋トレは回数にこだわらなくていい

現在は、抗がん剤の副作用によって、私の場合、かなりひどい貧血が出ています。

赤血球の数が普通の人の半分以下になってしまっていますので、立ちくらみなどが起こりやすい状態です。実際くらっとして、倒れそうになることがあります。

こういうときに無理してスクワットをすると、転倒してしまいかねません。転倒して骨折などをしてしまったら、それこそ元も子もありません。

ですから今は、自分の状態がある程度落ち着いて、立ちくらみなどが起こりそうにないことを確認したうえで、スクワットなどの運動を行うようにしています。

皆さんに強調したいのは、筋トレなどの運動は決して無理してやらない、それに、回数にこだわらなくていいということです。

本書もそうですが、多くの運動を推奨する本では、必ず目標の回数が書いてあります。しかし、それはひとまず忘れていただいてかまいません。とくに闘病中の方や、これまで運動をほとんどしてこなかった方は、いきなり目標回数をこなそうとしてはいけません。

たった1回でも効果があり、着実に強くなる

イスから、ゆっくりと立ち上がり、また、ゆっくりと腰を下ろす(足腰の弱っている方は、転倒防止のためにどこかに手をついて行ってください)。

体力のない方なら、これをたった1回行うだけでもいいのです。立ち上がる動作と腰を下ろす動作をできるだけゆっくりと行えば、これも立派なスロースクワットになります。

運動の強度や回数は、自分の体と相談しながら、少しずつ増やしていきましょう。

「これは無理だ」と思ったら、やめていいのです。「もうちょっとできそうだな」と思ったら、もう少しがんばってみてください。

これまで運動してこなかった方なら、たった1回のスクワットを行うだけでも、きっと効果があるでしょう。

それを続けていくことができれば、行うスクワットの回数も1回が2回になり、2回が3回となって、しだいに増やしていくことができます。少しずつ回数が増すにつれて、筋肉も着実に強くなっていきます。