症状を緩和する栄養素「ベスト3+1」

夏休み中に不足しがちな栄養素を摂取するために、どんな食品を選べば良いのでしょうか。

〈タンパク質〉

タンパク質は、脳内の神経伝達物質の合成にも関与しており、精神的な健康や認知機能の維持に欠かせません。特に、タンパク質から合成される、トリプトファンというアミノ酸はセロトニンを合成する原料となり、気分を安定させて睡眠の質を良くします。

十分なタンパク質を摂取できると、メンタルホルモンのバランスを維持し、集中力や注意力をサポートしてくれ、学校生活への復帰がスムーズになると考えられます。

タンパク質を多く含んでいるのは肉・魚・卵料理・大豆製品です。朝ご飯には無調整豆乳がオススメです。

脳機能をサポートするビタミンBを摂るメニュー

〈ビタミンB群〉

ビタミンB群は、エネルギー代謝において重要な役割を果たし、脳の機能をサポートします。特にビタミンB6、ナイアシン2は神経伝達物質の合成に関与し、気分の安定やストレスへの耐性を高める効果があります。また、ビタミンB12と葉酸は、ホモシステインの代謝を助け、脳の健康を維持する役割を果たします。

・豚肉
特にビタミンB1(チアミン)が豊富で、エネルギー代謝を助け、疲労回復に効果があります。暑さで食欲が減退気味であれば、サッパリとしたサラダ仕立ての「冷しゃぶ」が、おすすめです。

写真=iStock.com/deeepblue
※写真はイメージです

・牛肉
ビタミンB12、ビタミンB6、ナイアシン、リボフラビンなど、タンパク質代謝に関わるビタミンが含まれます。植物性タンパク質やビタミンB、ミネラルが豊富な豆苗を使った「牛肉と豆苗のオイスターソース炒め」がおすすめです。お子さんも好きな味付けで、白米も進む一品。何より時短調理なので忙しい方や、暑い昼間の調理時には助かるメニューではないでしょうか。

・サーモン
ビタミンB12とビタミンB6を多く含み、脳の健康をサポートします。例えば朝食に千切りキャベツと鮭フレーク、トッピングにチースやマヨネーズを使った「鮭フレークのピザ風トースト」は食べやすくおすすめです。

・鶏レバー
ビタミンB2(リボフラビン)やビタミンB12を多く含み、血液を作るために重要です。レバーは食感や味などから苦手とするお子さんが多い食品です。調理法や味付けに工夫すると良いでしょう。おすすめは、カレー風味の唐揚げです。カレー風味によりレバーの臭みが消え、油で揚げることで、外はカリカリ、中はジューシーな食感で食べやすくなります。

・納豆
ビタミンB2、B6、B12が豊富で、腸内環境を整え、免疫力をサポートします。納豆オムレツやお味噌汁の具として朝ごはんにプラス一品で。

・卵
ビタミンB群全般を含んでおり、特にビタミンB12が多く、赤血球の生成や神経機能に役立ちます。ゆで卵にしてサラダのトッピングにしてはいかがでしょうか。