数字をパワーアップする勘違いマジック

しっかりした出元の数字は、確かな証拠提示になって信頼性が増します。せっかくのデータですから、それをさらに強めて、主張をパワフルにしてみましょう。たとえば、次のようなデータでパスタの伸びを強調してみます。

たとえば、次のように伝えるとします。

「総務省統計局のデータで、コロナの影響で食事代は約30%減、飲食代は約53%減です。つまり、外食が減った分で出費が抑えられているわけですね。その反面、家庭での飲食に予算をかけるようになっています。」
「米や即席めん類がともに約15%増なのに対し、パスタの需要は約44%増です」

こんなふうに食事代の減少を示した上で、15%伸びた米やめん類を挙げ、その上でパスタはさらに増えて44%と示すと、伸び率がより感じやすくなります。

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売り上げを提示し、売り上げの伸び率を際立たせる

書籍『超・引用力』(青春出版社)でもご説明していますが、引用したデータはそのままではなく言い換えてみます。

「つまり、1.5倍も伸びています」
「パスタの販売伸び率は米や即席めんの約3倍です!」

こんな風に言い方や母体を変えて提示するだけで、すっきりしてわかりやすくなります。

[引用データの言い換え例]
外食は減少。家庭で米や即席めん類が約15%増、パスタの需要は約44%増
パスタの消費量は44%増えている←1.5倍の伸び←米や即席めんの3倍!

あるいは、母体を少しずらしてみるだけで、持ってきたデータがグンと引き立つこともあります。

たとえば、「小売り全体で44%増」だとして、もし母体を「家庭」だけにしたら55%増になるのであれば「家庭消費ではなんと55%増です」と母体をずらして、マーケットの伸び率を強調することも有効でしょう。

数字が大きくなるだけで割合が大きくなったような気がするのは、母体をずらしたことによるちょっとした錯覚。実際には同じ数値にすぎないものを、より大きく見せる勘違いマジックです。

そのままデータを引用するだけでももちろん効果がありますが、さらにそのデータの母体をずらすことでより伝わりやすくする効果も狙える例です。

〈まとめ〉
母体を変えて効果を高める、勘違いマジックを使う

次は、大きな数字を直感的にイメージしやすくするコツです。