数字を小さくしてイメージしやすくする

説明される数字が大きいほどイメージはつかみにくくなるものです。

ここでは聞き手にわかりやすくするために、パーセンテージを縮小して、イメージしやすい単位に応用してみましょう。

たとえば、世界の人口や食料の数値など膨大になる数字伝えるとすると、かなり大きな数値や面積になります。だいぶ前に流行った「地球を100人の村にたとえた話」では、わかりにくい数字をイメージしやすく提示していました。

これは、世界の人口を100人の村に縮小して「多様性」や「貧富の格差」など人種や生活を表した文章で、インターネットを介して世界に広まっていきました。縮小して人口比を示すことで、ずいぶんと人数比率のイメージがしやすくなり、全体像を理解できるようになります。

地球のコンセプト
写真=iStock.com/Rachata Amnataree
※写真はイメージです

あらゆる規模のデータに応用できる

では、当時のデータからそのまま引用してトラクターを販売するときのマーケットの可能性を伝える話をしてみましょう。(*)

上野陽子『心に刺さる、印象に強く残る 超・引用力』(青春出版社)
上野陽子『心に刺さる、印象に強く残る 超・引用力』(青春出版社)

「世界には65億人の人がいますが、もしもそれを100人の村に縮めて作付け者のありかたを見てみるとどうなるでしょう。
100人のうち47人は農村に、53人は都市に住んでいます。
畑を耕し、家畜を育て、食べ物を作っている人は20人です。
20人のうち13人はトラクターで、7人は人の力で耕しています。
つまり、世界の農業人口ではまだ20人中7人、
3割以上の人たちに対してマーケット拡大の可能性があるわけです……」

これは、あらゆる規模のデータに応用が利きます。流行した話としてではなく、この基本にある考え方を活用すること。こうして数字を小さくした形にして話すだけで、大きな数字データの割合が一目で理解できるようになります。

〈まとめ〉大きな数字は、縮小して割合をくっきりさせる
「数字を生かす引用レシピ」のポイントまとめ
知っているもので大きさを見せる
→イメージ化するとサイズ感の輪郭がわかりやすく、数字は忘れてもイメージが残る
データの母体を変える
→より数字の効果が強まる母体を選ぶ
数字を小さくしてイメージしやすくする
→大きな数字は、縮小して割合をくっきりさせる

*現在の実数値とは異なります。

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