紫外線が白内障のリスクをあげてしまうワケ
「白内障」は耳にしたことがある方が多いと思います。人間であれば99.9%、加齢とともに誰しもなる病気で、世界の失明原因第1位です。目の表面より少し奥にある水晶体というレンズにおきる病気ですが、本来透明である水晶体が紫外線によるダメージで白く濁ってしまうのです。
例えると、“透明な卵の白身が、熱を加える事で白くなる”のと同じような現象です。白く濁ってしまうので、目に光が通りにくくなり視力が下がりますが、日本では高度な医療が発達しているので治療により改善ができます。
「では、紫外線を浴びようが浴びまいが関係ないのでは?」と思った方もいるかもしれません。でも紫外線を浴びれば浴びるほど早くに白内障になってしまうのです。
白内障は50歳代で50%、80歳代で99.9%発症するわけですが、おおむね70歳代で白く濁りが強くなり、日常生活にも支障がでて、その汚れたレンズをとる手術する人が多いのです。
それが紫外線を浴びすぎてしまうと、40・50代で手術をすることになる可能性が高まるわけです。やはり手術というのはリスクもあるので避けたいものです。早い年齢での手術とならないためにも紫外線は避けるべきなのです。
“治療しても治らない”目の病気にかかることもある
そして目の奥の網膜に紫外線のダメージが溜まる「黄斑変性」という病気にも注意が必要です。
黄斑というのは目の奥にある網膜の中でも最も大切な場所で、人間はここに光を集中させてものを見ています。そのためダメージを日々受けているのですが、そのダメージを消去する黄色い色素があるので“黄斑”というわけです。
この色素は40歳から徐々に減ってしまうため、紫外線などの光のダメージが蓄積しやすくなってダメージの回復ができなくなります。結果として、目の奥がむくんでしまったり出血を起こしたりします。そうすると歪んで見えたり視力が低下してしまうのです。
日本人の失明原因の第4位となっています。
「4位だから大丈夫では?」と思われるかもしれません。しかし、年々数が増えている病気で、米国では失明原因2位となっており、日本より多くの方が黄斑変性で失明しています。理由としては食生活が原因ではないかと言われていて、脂質が多い食事には要注意です。
治療法としては、目に定期的に注射して悪化を食い止めるというものになります。目に注射というだけでも怖いですが、費用も莫大です。1本10万円台後半のお薬です。16万円だとしても3割負担で4.8万円、両眼注射すれば9.6万円です(薬代のみで診察代などは別)。
しかも1回の治療では収まらず、定期的に治療を受けるのが一般的です。例えば2カ月に1回注射をうければそれだけで57.6万円かかってしまいます。
(収入に応じて高額療養費などありますが)つまりは一度発症すると「なかったことにする」という治療はできず、「悪化を食い止める」治療しかできないのが問題なのです。特に加齢黄斑変性は加齢とともに生活スタイルが重要な要素になってきます。