さらに上の人に直訴するのは非常に危険である!
上司の上司か社内の別のリーダーにそれを訴えるという考えが魅力的に思えることがある。だが、行動する前に、結果をよく考えよう。
「階層構造は健在だ。そして上司はあなたより大きな権限を持っている。上司の無能さを暴露しようとするなら、社内の政治力学を理解する必要がある」と、マッキーは忠告する。組織のトップにいる連中は、誰かが自分たちの同輩をおとしめようとしていることを知ったら、脅威を感じて手助けしたくないと思うかもしれない。
「訴え出るのはきわめて現実的な意味で危険である。訴え出たのがあなただと知れたら、誰が最初に会社を去ることになるかは明白だ」と、ユシームは言う。だから、公式に不満を訴えようと決意した場合は、慎重に行動するべきだと彼はアドバイスする。人事部や上司の上司に訴え出る前に、自分の信頼する人物に話をして意見を聞いてみよう。
マッキーとユシームがともに強調するのは、訴え出ることが義務である場合もあるということだ。「上司が不正行為を行っている場合など極端な状況では、あなたは行動する義務がある」と、ユシームは言う。このような場合は人事部に行って、自分が目にしたことを報告する必要がある。証拠を用意しておこう。
無能な上司の下で働くのは健康によくない場合がある。「心理的悪影響があることを示す調査結果がたくさんある」と、マッキーは言う。ひどい上司の下にいるとき、われわれは「彼が私の生活を台無しにしている」と、自分を被害者にする傾向がある。だが、これは自分に決定権があることを無視した見方である。その職場に留まるか否かは自分で決められるのだから。
仕事の中で自分をみじめにする要素よりも、自分を幸せにしてくれる部分に注目しよう。「毎日上司を気にして過ごすこともできれば、会うのが楽しみな人たちや楽しんでできる仕事に関心を向けることもできる。どの感情に身を浸すかは自分で選べるのだ」と、マッキーは言う。
もちろん、それができない場合は、別の部署や別の会社に移ることを考えればよい。